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山川健一さんのつぶやき 8/20分

山川健一さんのツイッターでのつぶやきを
まとめて下さってる方がいらっしゃり、コピペさせていただきました。
ありがとうございますshine

山川健一さんのブログ
イージー・ゴーイング~悲しみ上手になるために~

8/20分

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今夜もこれから小一時間ほど、原発についてツイートします。

都内はようやく雨が上がった。夏の雨は風情があるはずなのに、放射性物質を含んでいるのだから濡れたくない──と思う自分がいる。東電福島の事故は、この国の花鳥風月を破壊したのだ。

知人に桃をもらったお母さんが、相手に産地を聞けず、だから子供には与えられなかったというメールをくれた。少しずつ、さまざまなものが壊れていきつつある。

ぼくがノンフィクション小説『安息の地』を書いた時、可能な限り取材して多くの人達の証言を集めた。ジグソーパズルの一つひとつを集めるのだ。もちろんすべてを集められるはずはないのだから、後は想像力を働かせてみる。

今回の原発事故の全貌を朧げながらでもつかみたくて、ぼくは同じことをしている。「東電福島第一原発の事故」という長編小説を組み立てるようなものだ。

さて、現在のポイントは、メルトダウンを通り越してメルトアウトしている東電福島第一を「今の技術では廃炉にできない」と いうことだ。

だというのに、東電や政府関係者は根拠のない発言を続けている。テレビと新聞だけを情報源にしている人達は、それを疑いもせずに信じ ている。

昨夜ぼくが書いた福島第一原発敷地内で「地割れ、水蒸気が噴出している」という情報は、木下黄太氏の「福島 第一原発敷地内で『地割れ、水蒸気が噴出している」情報。再爆発の懸念も。』がソースだ。

木下氏の記事によれば、8月上旬に福島第一原発の作業員より地元関係者にメールが届いた。その内容は…

「敷地内にある地割れから水蒸気が噴出。周りが真っ白になり、作業員が一時退避した。地下で反応しているようだ。風向きでそちらの線量に注意して」というものだった。

格納容器に近い場所に複数箇所か地割れがあり、そこから水蒸気が吹き出ている。東電の発表と異なり、10,000ミリシーベルトの箇所も六ヶ所も あるということだ。

核燃料がドロドロに溶けて地中に落ちているのはほぼ間違いない。トーストに染み込んだバターを取り出すことが不可能なように、こいつを取り出すのは不可能である。溶 けた燃料が水脈にぶつかる可能生があり、そうなればまた爆発が起こる懸念がある。

こうした危険な状態がいつ頃から続いていたのか、ぼくらには知る由もない。1週間前からなのか? 1カ月前からなのか? もっと以前からなのか?

いずれにせよ、メルトダウンはしていないと言い張っていた東電や政府が、「いや、実はメルトスルーしてました」と述べた時、多くの人が愕然とし たはずである。

一方、菅直人首相は7月14日の夜、民主党若手議員らと会食し「東京、神奈川から3千万人が移住するような事態も想定して決断しないといけな い。だから『脱原発』なんだ」と述べている。

そして、こう続けた。「福島の事故はすごいことだとの印象を受けた。原発について相当基礎知識を持っていたし、研究を重ねた」

この菅首相の発言をどう受け止めるかが問題だろう。常識的に考えれば、現職総理大臣の発言とは信じられない。前日の7月13日には、民主党の中堅・若手議員グループ「国益を考える会」の11人が官邸に乗り込み首相の即時退陣を求めたていた。

したがって、3千万人発言は政治的な駆け引きのための発言だったのだと考えられなくもない。

菅直人首相が「浜岡原 発3号機の再開見送り。さらに浜岡の全原子炉停止へ」と発表したのは5月6日のことである。したがって、浜岡原発が事故を起こした場合、チェルノブイリの時の320km圏を想定し3千万人という数字になったとも考えられる。

菅直人を知っているという人物を、じつはぼくは3人知っている。彼らが口を揃えて言うのは「嫌な人物だ」「見栄っ張りだ」「ブレーンがいない」ということだ。

ぼくらは「東電福島第一」という長編小説の重要登場人物の性格設定を行わなければならず、その際これは重要な証言だ。エゴと虚栄心が強く、孤独で、時に怒鳴り散らしたりする人物。さらに推理するならば、こういう男は臆病な場合が多い。

菅直人首相の「東日本つぶれる」発言が海外で物議をかもしたのは記憶に新しいし、4月14日午後、首相官邸で福島県川俣町の古川道郎町長らと面会した際には「福島第一原発の周辺地域には20年住めない」と発言したことが伝えられている。

ぼくは、これらの発言はすべて「見栄っ張り」で「ブレーンがいない」菅直人という人物の本音なのだろうと思う。この臆病な男の胸の深くには、動物的な「怯え」が潜んでいるように、ぼくには感じられる。

菅直人は「嫌な奴」ではあっても馬鹿ではない。経産省の役人に言われたままを鵜呑みにして操り人形と化した海江田万里ほどの間抜けではないから、狡猾に振る舞い時には東電幹部を恫喝し、あちこちで怒鳴り散らし、様々な情報の収集はしているはずだ。

そしてどこかの段階で、福島第一原発の状況が「地割れ、水蒸気が噴出している」という有様であり再爆発の懸念もあるという事実を知るのだ。ここからは推理の域を出ないのだが、ぼくはそれが7月14日の夜の直前だったのではないかと思う。

そうでなければ、「3千万人が移住するような事態も想定」なんてことを、一国の首相が言うはずはないと思うのだ。菅直人は立場上、誰よりも東電福島第一が危機的な状況にあるのかを知っている。いつ再爆発してもおかしくないと思っている。

状況を知り、怯え竦み、持ち前の居丈高な性格から「3千万人が移住…」などと口走ったのではないか。

木下黄太氏がぼくのツイートを紹介して下さった文章の中で「再爆発の懸念を抱えているのは政府最高首脳」と記しているが、ぼくもまったくその通りだと思う。

危機的な状況を把握し、指揮官として危機の克服にあたらなければならない立場にあるこの菅直人という人物が、誰よりも怯え切ってしまっている。自らのあまりの罪深さに深夜一人で嗚咽しているかもしれない。これでは、どうにもならない。

小説の登場人物としてなら、奇怪で面白いかもしれないが、日本の首相としては困り果てる。かと言って他に誰がやれるのかと言うと──民主党の代表選の顔ぶれを見れば暗澹たる思いしかない。

菅直人は、少なくともぼくらよりは豊富な情報を持っている。そういう男がヒステリックに怒鳴り始めたら、危機が目前に迫っているか、既に起こってしまったかのどちらかだ。

ぼくらが覚悟しなければならないのは、東電福島第一が再爆発する可能性がのこされているということだ。

それは地下深くで起こるので、炎や黒煙は立ち上らないだろう。テレビも報道するかどうか。

しかし万が一再爆発があれば、その後数日だけでも可能な限り遠くに避難したほうがいいということだ。再爆発があったかどうかを教えてくれるのは、マスメディアではなく放射線量という数値だけである。

東電や経産省や政府は、事故をなるべく小さく見せたがっている。避難する国民も、最小限に抑えたがっている。将来支払わなければならないお金を可能な限り少なくしたいからだ。ぼくらは、いろいろな意味で既に棄てられているのだ。

福島の子供達は放置されたままだ。ガイガーカウンターやTwitterの規制も始まっている。ぼくらは、自ら身を守る手段を一つひとつ奪われて行く。こんな馬鹿な話がまかり通っていいはずはない。

Twitter上での情報交換。今のところこれが、ぼくは学生達や家族やうちの編集者や、大切な友人達や自分を守る最大のツールであると思っている。ネット上の情報はゴミ? 新聞やテレビの情報のほうがゴミだよ。

閑話休題。時々、学生にレス入れられると、さすがにちょっとビビります。でも、学生達にこそ一つも嘘はつけないからさ。コーヒーいれて、5分後に再スタートします。

再スタートします。チュニジアにおいては、ツイッターがきっかけになって革命が起きた。それは加速度的

に世界に波及していった。ぼくらは日本で、ツイッターで情報を共有する。それが「日本のジャスミン革命」なのだと思う。

生き残るために、愛する人に生き抜いてもらうために、ぼくらそれぞれがジャスミン茶を一杯。

愛する人を失えば、子供達を失えば、ぼくらには何ものこらない。だったら怖れるものなんて何もない。ぼくは本気でそう思っている。

被曝した福島の子供たちが8月17日、国会内で政府の役人と交渉し現状の改善を求めた。(主催:子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)http://t.co/Adpofpg

子供達は、事前に書いてきた手紙を読み上げながら、訴えた──

「私たちは原発事故以来、外遊びをしていません。友達は家を追われました。責任を取って下さい」。(小林茉莉子さん・小5)

「大人が勝手に作った原発でなぜ福島の子供たちが被曝しなければならないのですか? 私は6月に転校してとても悲しい思いをしました。(中略)…私たちが学校の友達と安全に避難できるように考えて下さい」。(橋本伽耶さん・中2)

役人たちは答えた。「除染して早く帰れるよう努めてまいりたい」(内閣府)。「安全の確保に努めている所です」(原子力安全保安院)。「関係各省庁と連携を取ってやってゆきたいと思います」(文科省)。

内閣府、原子力安全保安院、文科省の役人達の体には、赤い血が流れているのだろうか? 相手は子供だぞ。国会の答弁ではないんだよ。福島の子供達は、あなた達だけではなく、日本の大人全員を信用できない存在だと思ったことだろう。

的はずれな回答に司会者が「集団疎開をどうして実現して頂けるのか、子供たちは質問しているのですが」と言った。役人たちはマイクを回し合って、答えるのを避けようとした。一巡したところで観念したのか、文科省の役人が言った。

「友達と一緒に学校に行きたいと受け止めました。原子力発電所が安定し、学校がきれいになれば、みんな安心して学校に行けます」。おまえは馬鹿か、とぼくは思う。

この記事を書いた田中龍作氏が後で感想を聞いたら「将来ガンにならないために疎開しないといけないんだけど、あのオジサンたちは真剣に聞いてない感じがした」(小林茉莉子さん・小5)という答が返ってきたのだそうだ。

内閣府、原子力安全保安院、文科省の役人達は馬鹿であることを超え、犯罪的でさえある。人類の尊厳に対する罪だ。あなた方は誰かを馬鹿にすることはできるかもしれない。だが、人類全体を馬鹿にすることは許されてはいないのだ。

あなた方が馬鹿にした目の前の福島の子供達は、あなた方の息子や娘と同じ存在だ。イコールなのだ。目の前の仕事をいつも通りにこなしてあなた方が守ろうとしたものは、あなた方自身の中で既に失われている。

そのことに気がつければ、子供達に頭を垂れて許しを乞うこともできたかもしれないというのに!

恥知らずな大人は他にもいる。高橋はるみ北海道知事である。定期点検中だった北海道電力泊原発3号機の運転再開を認めたのだ。その高橋知事の政治団体に、北海道電力の役員多数が、延べ100回以上、計371万円もの献金をしていることがわかった。

「個人として献金した」と元役員はいうが、会社ぐるみの政治支援であることは明らかだ。道議会議員の真下紀子氏(共産)は従来から追及し、地元の新聞やテレビに情報を提供してきたが、大きく報じられることはなかった。

経産省出身の高橋はるみ知事、地球規模の問題を、道と周辺4町村だけで決めていいと本気で思っているのですか? たかが371万円のはした金で。こうした癒着は他にも無数にあるのだろう。しかし原発だけは、それは許されないのではないか。

この国の土台は、どうやら腐りきってしまっている。それを、子供達が見ている。ぼくら1人ひとりが何とかするしかないのだと思う。それも、福島第一を抑え込むことができれば──という条件がつくのだが。

政府は原発事故を福島ローカルに矮小化しようと必死だが、これはもはや首都圏の問題でもある。カミソリの上を歩いて行くような夜がつづく。しかし明るい気持ちで生きていく方法がないわけではない。今度はそのことについてツイートしたい。

今夜も、長いツイートにお付き合いいただき、ありがとうございました。これで終わりにします。感謝します。

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