「ユキは十七歳 特攻で死んだ」毛利 恒之(著)
著者は脚本を書く方でした。
(「月光の夏」という映画の脚本を書かれています。)
特攻関係の取材で九州を訪れ、その時に「子犬を抱いた少年」の写真と遭遇します。
その少年が、荒木春雄さん(17歳)でした。
死を目前にして、やさしい微笑みを浮かべる写真に衝撃を受け、
この少年たちの事を知りたいと取材を重ね、
取材で得た内容のみを本にされたそうです。
荒木少年の生い立ち、飛行機への憧れ、飛行予科練習性として航空隊に入隊、
厳しい訓練、特攻への任務、万世からの出撃とページは進んでいきます。
(訓練はかなり厳しいもので、脱落する人もいたようです。)
家族との交流、家族へ宛てた手紙、読んでいて胸がつまりました。
出撃前に彼は、短い髪を切り、
飛行服につけてあった七二振武隊のマークを取り遺品としました。
父親宛ての封筒の表に、自らの手で「遺品在中」と書き記して。
あとがきに、「月光の夏」を見た17歳の高校生の感想がありました。
「きょうからのぼくは、きのうまでのぼくではない」
あぁ、本当にそうだなと思いました。
人は知ることによって、大きく変わっていくものだと思います。
万世基地の滑走路は、現在、県道277号線「吹上浜公園線」として
使われています。
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